2016年最後の一般質問を行いました。

2016年11月30日 23時37分 | カテゴリー: 活動報告

2016年最後の一般質問を行いました。IMG_3178以下全文です。

民主ネット豊島区議団、豊島・生活者ネットワークの村上典子です。

「地域発!市民発!豊島区のこれから」と題し、

1、区政運営に必要なグローカルな視点について

2、消費者の選ぶ権利の保護について

3、羽田空港国際線増便による豊島区上空低空飛行ルートについて

4、協働のまちづくりについて

5、その他として、子ども・若者計画について質問いたします。

区長の明快な御答弁を期待します。

 

はじめに、先週22日、早朝に起きた福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震は、その後長い時間出されていた津波警報、注意報の報道に、東日本大震災の記憶を蘇らせ、「災害は忘れた頃にやってくる」ということわざをあらためて思い出しました。他にも新座市で起きた変電所の火事による大規模停電や、福岡市博多駅前の道路陥没など災害はいつ起きるかわかりません。豊島区では、11月17日に帰宅困難者対策訓練を行いました。災害対策本部でのモニターには、これまでの訓練では、判別できなかった映像が、とてもはっきりとしており、より有効性が高まり、実践的になったことを確認することができました。“備えあれば憂いなし”の言葉通り、今後もあらゆる場面を想定してのさらなる訓練を重ねていただきたいと要望します。

 

さて、第一の質問としてあげました区政運営に必要なグローカルな視点についてですが、このグローカルという言葉は、地球規模、世界規模を指すグローバルと地方、地域というローカルを掛け合わせた造語で、地球規模の視野で考え、地域視点で行動するという考え方です。国際アート・カルチャー都市を目指す、豊島区として今まさに必要な視点ではないかと考えます。

 

政府は現在開会中の国会において、TPP=環太平洋パートナーシップ協定をこれこそが成長戦略と批准を急いでいます。今までTPPの内容に関しての報道は、農産物の自由化にばかり焦点が当たっていましたが、国会論戦が続く中、これまであまり注目されてこなかった医療や保険分野のみならず、地方自治にも大きな影響を与えることが明らかになってきてきました。

 

TPPは、太平洋をとりまく12カ国が、関税だけでなく、サービス、投資などあらゆる非関税障壁を排除し自由貿易を進めるというものです。条約はいったん締結されてしまうと、日本の国内法より優位な効力が認められることになっており、国が急いで進めようとしているのですから自治体としてもあらかじめ対策を考えておく必要があります。

 

TPP協定にはISDS条項が盛り込まれているのが大きな問題です。ISDSとは、投資家や民間企業が相手国の協定違反によって自由な競争に損害を受けた時に、仲裁申し立てを行い、損害賠償を求めることができる制度です。仲裁には多額の費用がかかり、お金持ちの巨大企業に有利と言われています。現在は、訴えられるのは国であり、対象金額も高くなっていますが3年以内に、地方自治体も対象となり、金額も広がっていき、その後の交渉次第で、自由化がどんどん加速していくと言われています。

 

北アメリカ大陸では、20年前、アメリカ、メキシコ、カナダの3カ国で

北米自由貿易協定NAFTAが締結されました。その後、アメリカの多国籍企業のメキシコ進出で、メキシコの多くの農民は農地を奪われアメリカに労働者として流入し、そこで、アメリカの白人の労働市場が奪われ、それが移民受け入れ反対の運動の背景になっているように、貿易協定は社会の状況も変化させる大きな影響力を持つものなのです。我が国において貿易は大変重要ではありますが、いき過ぎた自由主義経済は、過度の競争を生み、強いものだけが生き延びられる社会になってしまいます。

 

先のアメリカの大統領選で次期大統領となるトランプ氏はTPPからの離脱を表明しており、これにより現行のTPPは発効不可能になったと報じられています。しかし、トランプ氏は2国間の貿易協定の方がアメリカに有利である、とこれをすすめることを表明しており、こちらの方がTPPより日本にとって不利なのではないかと言われています。つまり、今後も進むであろう厳しい自由競争に備える必要があるのです。

 

TPPのあらゆる非関税障壁の撤廃には、公共事業も含まれます。物品やサービスを調達したり、建設工事を行う際に、国内企業と同じ条件を外国企業に与えなくてはなりません。区内の中小事業者に優先的に事業を委託するなどの支援策は禁止される可能性が出てきます。入札や契約も英語が標準になってきます。このように、TPPが発効されると、自治体独自の経済の振興や自治体主導の地域づくりは難しくなってきます。海外資本がどんどん区内に進出してきても、区内の中小業者を守ることができなくなる可能性があります。

 

一方、国の「総合的TPP関連政策大綱」には、「TPPがもたらす効果は、これまで海外展開に踏み切れなかった地方の中堅・中小企業にこそ幅広く及ぶ。TPPが多国間の経済連携である特色を活かし、産業空洞化を抑え、技術力等を持った我が国の中堅・中小企業が「居ながらにしての海外展開」すること、地域の特色を活かした地場産業、農産品等が8億人の市場へ打って出ることを政府 は全力で後押しをする。」ともあります。

現在豊島区が持っている豊島区商工振興条例や、豊島区産業振興指針には、国際的な展開については触れられていませんが、今後 豊島区内でも、国を超えての自由競争がすすむことが予想されるなかで、区内企業が外国企業と共存共栄できるように豊島区としてどのように支援しようとしているのかをお聞きします。

 

豊島区は、国際アート・カルチャー都市として国際化を目指しています。私は一昨年の一般質問で、岩盤をこじ開けるような規制緩和による国家戦略特区は、区内中小企業に大きな影響があると発言しました。これ以上に、TPPは他国との自由経済を保証する約束で、国内法を上回る効力を持つのですから、豊島区で方針を決め、政府が認定する国家戦略特区とは全く異なるのです。

また、「国際アート・カルチャー都市」としては、著作権は重要事項です。現時点でも、アメリカの映画やアニメ、キャラクタービジネスなどは特許、著作権で年間15兆円も外貨を稼ぐ輸出産業になっているのに対して日本の著作権料の国際収支は年間約8000億円の赤字になっています。その上、TPPが発効されたならば著作権の保護強化が打ち出され、保護期間は、作者の死後50年から70年に延長されます。著作権侵害に関しては、被害者の告訴がなくても第3者の通報で警察が捜査できる非親告罪や、権利者の実損害の証明がなくても裁判所が懲罰的な賠償金を決められることになっています。つまり、著作権保護が強化され、アメリカ流の著作権ビジネスかがすすんでいきます。アニメ、漫画を含め、アート・カルチャーに関しての著作権に関して、豊島区としても一定の見解を持って政策を進めて行くべきと考えますが、現在はどのような見解を持っているのかをお聞きします。

次に、2番目の質問として、消費者の選ぶ権利の保護についてお聞きします。自由競争が進んで行くと、商品の価格は下がっていくことが予想されます。しかし、TPPが発効されると、私たち消費者は、自分にとって必要なものを選ぶことが難しくなるのではないかと思われます。例えば、アメリカの多国籍企業が世界各国で栽培している遺伝子組み換え作物は、未だ十分に安全である科学的根拠が明らかでないばかりか、人や動物に明らかに健康被害をもたらすとの報告もあり、巨大な人体実験であると、私たち、生活者ネットワークはかねてより、未然防止の観点から、反対しています。しかし、TPPにおいて食の安全基準に関しては、明確な科学的根拠が必要となってきます。つまり、科学的根拠が明らかでなく自由競争を阻害するものとされるとして、その食品が、遺伝子組み換えであるかないかの表示ができなくなる可能性があります。また、国産表示や産地表も海外の企業にとって、障害であるとして訴えられることもあり得ます。学校給食で国内産食材を指定することも厳しくなるかもしれません。国産の商品を購入しようとしても、表示がなくては選ぶことができません。

一方、国のTPP関連政策大綱の着実な実施の中には、消費者との連携強化 が掲げられており、「消費者の国産農林水産物・食品に対する認知度をより一層高めることにより、安全・安心 な国産農林水産物・食品に対する消費者の選択に資する」とあります。つまり、消費者に国産の農林水産物、食品の価値を理解し、利用を促すようにとしています。

消費者が選ぶ権利を行使するためには、区内の食品提供業者に対しての表示に関して区としての指導が必要ですし、また、消費者教育が重要になってきます。現在、豊島区消費生活センターでは、特殊詐欺から消費者を守ることが大きな役割になっていますが、より積極的に、賢い消費者を育て取り組みが必要だと考えます。今後どのようにして、消費者の選ぶ権利を保護していくのか、豊島区のお考えをお聞きします。

次に、3つ目の質問です。今年、4月に突如発表された豊島区上空を飛行機が低空で飛ぶルート案については、第2回定例会で具体的な騒音の大きさの例を挙げ、豊島区西部の住宅街の上を飛ぶ区民の不安を払拭するようにと質問をいたしました。この低空飛行ルートは、午後3時から7時というアメリカ便の離発着に便利な時間帯の便数を増やすというものです。なぜ、アメリカ便が羽田から離発着しなくてはならないのか。そもそも成田空港があるではないか。一旦飛行ルートとなり飛行機が飛び始めると時間帯の延長もあるのではないか。と区民の方々から様々な疑問が湧いて来ています。国土交通省は、先日の衆議院国土交通委員会で成田空港周辺の過去10年の落下物の最大重量を1、8キログラムと答弁していたのを12キログラムと訂正しました。また、国土交通省のホームページ上のメールフォームは7月末からメンテナンス中が続いており、誠意ある対応とは思えません。区民の生活の安全安心を守る為にも、区長には、区民の気持ちに寄り添って、低空飛行ルート案を事業化しようとしている国によりていねいな説明を求めていただきたいと考えます。

この間、不安を感じる区民の方が「としまの空を考える会」を結成し、自主的に学習会を開いたところ150人近くの区民の方が参加しました。多くの区民の方はルート案のことを知らなかったという状況で、区や区議会は何をしているのだという声まで上がりました。

「考える会」では、国土交通省担当者に直接、豊島区内での多くの区民の人が一同に会する教室型説明会の開催の要望書を手渡し、また、高野区長にも、事業者である国土交通省に説明会の開催を要請してほしい旨の要望書を提出しています。

その後、国の動きが見えない中、国土交通省は、先週金曜日11月18日に突如ホームページ「羽田空港のこれから」に「羽田空港機能強化に関わる今後の情報提供について」を発表しました。ここには、常設情報発信拠点の設置、特設電話窓口の充実、住民説明会の継続開催が掲げられています。新飛行経路運行開始までの間、定期的に1都2県の役20か所で説明会をするとしています。ここでは、運行開始という言葉が使われ、ルート直下の会場が選ばれています。豊島区内では、3月24日に南長崎第4集会室で行われます。しかし、これは、「としまの空を考える会」からも要請している教室型説明会ではなく、オープンハウス型の一人一人に説明する人がつくというものです。この形ですと、要望や質問に対しての責任ある答えを聞くことができず、住民の声がどのように受け入れられていくのかが全くわかりません。

そこで質問します。豊島区として、今回発表された説明会を含め、豊島区上空低空飛行ルートについてより多くの区民の方に周知するためにどのような方法を取られるのでしょうか。

 また、「考える会」が要望しているより多くの人が一同に会する教室型説明会の開催についての見通しについてお聞かせください。

 

次に、協働のまちづくりについて質問します。今年度からスタートした10年後までの豊島区基本計画では、1章に「あらゆる主体が参画しながらまちづくりを実現していくまち」とあります。「参画と協働の推進」と「地域力の向上」を掲げ、中でも「地域における活動拠点の充実」を重点施策としています。今定例会で提出されている「ふるさと千川館」条例は、2002年平成14年に閉校になった千川小学校体育館を改修した施設で、地域に住む方々が長年に渡って行政と熱心に話し合いを重ね、地域に必要な施設を作り上げていきました。まさしく参画と協働の成果と考えます。

 

区では、この9月に区民5000人を対象に「協働のまちづくりのためのアンケート調査」を行いました。この調査は3年に一度行われているものですが、過去2回と質問が大幅に変わっており、基本計画にある豊島区が目指す姿を区民がどのように実感しているのかと結果を興味深く思っています。

特に、今回のアンケート調査では、平和、人権の質問項目が加わっていることを高く評価します。

この中に、「外国人の持つ多様な価値観や文化が尊重されている」という質問項目があります。豊島区には約100カ国にも及ぶ外国籍の方が住んでおり、多様な価値感を共有することは大変重要であることは、議会でも何度も指摘させていただいています。これこそ、グローカルな視点を持つ区民の人々を増やしていくことに繋がると考えます。そこで、豊島区として「外国人の持つ多様な価値観や文化を生かした区政運営」を今後どのように進めていくつもりなのかをお聞きします。

 

また、新たな質問項目として「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)への理解が深まっている」という項目も加わっています。9月27日に豊島区内の約60の会社、団体が一同に介して「イクボス宣言」をしたことは、大変インパクトのあるものでした。5年前に私がワーク・ライフ・バランスについて一般質問した時の消極的な答弁から大きく変化したと思っております。28日に行われた全国知事会でも全会一致で「イクボス宣言」がされました。今後、これを単なる宣言にとどまらず、ワーク・ライフ・バランスを着実に進めていくために豊島区として何か支援や対策を考えていらっしゃるでしょうか。先日のワーク・ライフ・バランスフォーラムの講演においてファザリングジャパンの安藤哲也さんは、ワーク・ライフ・バランスでできた時間を何に使うかが重要であるとおっしゃっていました。「イクボス宣言」では、ボスは部下のワーク・ライフ・バランスだけでなく、自らが自分の時間を楽しむことが必要であります。「イクボス宣言」した企業、団体が確実にワーク・ライフ・バランスをすすめていくために豊島区としてどのような方法で進めていくのかをお聞きします。

 

協働のまちづくりに関する区民意識調査のような定期的なアンケート調査などで、区の目指す姿を示すことで、区民の方の一人一人の意識が変わり、行政と一緒に協働して作るまちづくりが達成できることを望みます。

 

最後にその他として、子ども・若者計画について質問します。豊島区の若者支援の必要性については、一昨年、一般質問させていただきましたが、現在、青少年問題協議会で作成中の「豊島区こども・若者計画」において、引きこもりの若者を対象に具体的な施策が検討されていることを高く評価します。引きこもりのきっかけとしては、学校でのいじめや家庭問題、背景にある貧困問題もあるようです。いじめの問題は、学校の中で見逃さず、早めにしっかりと対応することが重要であると考えます。引きこもりは、いったん起きてしまうとなかなか家庭では解決できないことが多いようです。そのためにも、小さい時から地域全体で子どもの成長や安全、安心な生活を支えることも重要なのではないかと考えます。また、家庭、学校、それ以外の第3の場所として地域の居場所いわゆるサードプレースが重要であることも指摘されています。区として、NPO法人などの居場所づくり事業を支援していく必要があります。また、豊島区が児童相談所、一時保護所を区内に設置することで、複雑な家庭問題に適切に対応していただくことを期待します。

 

引きこもりまたは不登校のこどもや若者に対しては、アウトリーチ活動が必要ですが、それぞれ抱えている課題が異なるので、丁寧な対応が求められます。そのためにはマンパワーが必要と考えます。また、現在、若者計画を策定しているのは子ども課ですが、多くの所管課が関わる施策ですので、以前提案したように若者専門のワンストップサービスが必要なのではないかと考えます。未来を担う豊島区のこども・若者計画をどのように実行していくのかをお尋ねします。

 

豊島区には「子どもの権利に関する条例」があります。11月は児童虐待防止推進月間です。連日のように生きる権利を奪われてしまった子どもの悲惨なニュースが報道されています。ひとりひとりの命が大切にされる社会でなくてはなりません。豊島区の子ども一人一人がその子らしく生きられるように、大人が見守る必要があります。豊島区は、女性にやさしいまちをかかげていますが、女性にも子どもにもやさしく、笑顔のあふれる街でありたいと考えます。

 

グローバルな競争が迫る時代に、豊島区という地域に住む、区民一人一人がその人らしく生きられるように、区民に一番近い行政サービスを提供する豊島区だからこそできる施策を今後も確実に実行していくことを望みます。

 

これで私の一般質問を終わります。

ご静聴ありがとうございました。