浦添「てぃーだ子ども食堂」(沖縄視察報告2)

2016年4月14日 13時14分 | カテゴリー: 活動報告

今回の沖縄視察では、ぜひ、子ども食堂に行き、沖縄の子どもを取り巻く現状を知りたいと思っていました。今年初めに、山形大の戸室先生が2012年国民生活基礎調査をもとに発表した都道府県別の子どもの貧困率の統計で、沖縄が37.5%と全国平均の13.8%を大きくうわまっています。また、大人のみのみの世帯を含む全体の貧困率でも沖縄は34.8%(全国平均16.3%)と3世帯に1世帯が貧困との結果が出たこともあり、自らの目で実態を知らなくては考えたわけです。沖縄においては、子ども食堂の活動が県内あちらこちらで行われていますが、今回の視察の限られた時間の中で、浦添市にある「てぃーだ子ども食堂」が見学を受け入れていただいに心より感謝しています。IMG_0309

「てぃーだ子ども食堂」は浦添小学校のすぐ近くのうらそえぐすく児童センター内で毎週土曜日のお昼に開催されています。「てぃーだ」とは、太陽のこと。私たちが訪ねた4月2日は、お昼前から小学校低学年を中心に多くの子どもたちがプレイルームや多目的ホールで等で遊んでいました。この児童センターには、立派な台所が備えられた創作活動室があります。そこで、館長、職員指導の、子どもたち自らが食事を作り、それを継続的な活動にすべくPTAや地域の人を徐々に巻き込みながら子ども食堂として運営しています。IMG_0305 IMG_0304

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沖縄のお麩、細かく砕き、卵液につけて戻しました。

ここの特徴は、子どもたちに食事を作るという体験を大事にしていること。野菜の皮むきから、沖縄で有名な人参シリシリのやり方。だし係の男の子もいました。一緒に食IMG_0306事をしながら、子どもたちの様子を見守る館長、職員、PTA会長などの温かい眼差しを感じました。そして、何気ない会話の中から、それぞれの子どもの抱える課題を見つけ出そうとしている努力が見受けられました。IMG_0307

浦添市は、市内11ある小学校ごとに、児童センターが設置されています。また、コミュニティソーシャルワーカーは、中学校区ごとに配置されています。豊島区でも、区民ひろばという小学校区ごとに設置され、CSWは福祉圏域をカバーすべく配置されています。これらの仕組みを有効に活用するためには、地域に住む人と人が緩やかでもつながっていることが重要です。

沖縄は子どもの数が4人、5人という方も多いと聞きました。青い空の下、4月でもTシャツ、短パン、ビーチサンダルで楽しそうに遊んでいる姿を見ると、そこに子どものパワーを感じます。なぜ、このような元気な子どもが貧困という厳しい状況に立ち向かわなくてはならないのでしょうか。そこには、沖縄独自の歴史的な背景があります。第2次世界大戦後、アメリカの占領下に成った沖縄は、日本の福祉政策が施行されず、また、アメリカが行った孤児対策には不明な点が多くあることを、次の日、行われた自治体議員立憲ネットワークの浅井春夫立教大学教授の「沖縄戦と孤児院―戦後史と子どもの貧困に触れて―」で知ることができました。沖縄のこと、特に復帰までの27年間のことを十分に知らないまま過ぎてしまっています。

2013年3月のスタート時から3周年を迎えた「要町あさやけ子ども食堂」には、地域の方が手伝いに来たり、食事に来たりしています。また、全国から子ども食堂に関心を寄せる方の来訪が絶えません。今回の「てぃーだ子ども食堂」も昨年6月に「要町あさやけ子ども食堂」を訪ねてくださったご自身も那覇市で子ども食堂の活動をしている糸数未希さんにご紹介いただきました。子ども食堂は、様々なところで、様々な形で行われています。

「食」には、人と人がつながる力があることをここ沖縄でも実感しました。食、子どもを通じて、地域がつながることが格差拡大などと言われている社会への一石を投じることになっていることは確かです。しかし、根本的に、子どもにかける国家予算の割合が少ない!そんな状況の中でも、自治体はできる限りのことを努力しなくては。IMG_0312