人口27万人を迎えて (2)多文化共生の推進について 〜第3回定例会 一般質問からNo.3〜

2013年10月24日 00時11分 | カテゴリー: 活動報告

 人口27万人の豊島区民の7%にあたる約19000人が外国籍の人です。つまり、14人に1人の外国の人と一緒に暮らしている事になります。半数が中国、台湾籍の方ですが、調べてみると99カ国もの方が暮らしている事がわかりました。実際、池袋を歩いていると、最近では、中国語だけでなくさまざまな言葉を耳にします。また、区内のあちらこちらからでは、外国人のマナーに不満を持っている人にも出会います。例えば、ゴミ出しのルール、自転車運転のマナー、公共施設の使用方法等々です。しかし、そもそもこれらのルールは、外国人住民の方々にしっかりと伝わっているのでしょうか?今回の一般質問では、23区中5番目に外国人の人口が多い豊島区での多文化共生のまちづくりについて具体的な例をあげて質問しました。

 昨年7月に、住民基本台帳法が改正され、外国の人が日本に暮らす時には、日本人同様に居住地に転入等の手続きをすることが義務化されました。つまり、住民登録をしないと行政サービスを受けられないことになっています。逆に言えば住民登録をして外国の人は、日本人同様、行政サービスが受けられるはずなのです。住民登録に区役所に手続きに来た時が、その情報を渡すチャンスなのではないかと思いましたが、現状では、十分ではありませんでした。そもそも、住民登録窓口で、日本人の人に渡される各種案内は12種類なのに、外国の人にたいしては、3種類のみでした。ゴミ収集のお知らせと、国民健康保険、税金の案内のみ。防災地図もありませんでした。豊島区役所では、週2回通訳がつくサービスがありますが、その案内も私が指摘して配布するようになりましたし、英語、中国語、ハングルの3カ国語に対応している自動翻訳装置がついた豊島区ホームページについても周知すべきだと指摘しました。すでに、通訳サービスとホームページに関してのお知らせは、住民登録の時に紙ベースでも配布されるようになりました。http://www.city.toshima.lg.jp/koho/018294.html

 たとえば、交通事故の中で4割を占める自転車事故が多い豊島区では、自転車利用のルールやマナーをよびかける外国語版はすでに交通対策課で持っている状態なのですから、交通ルールがちがう外国から来た人たちに、住民登録時に渡すのが効果的なのではないか指摘しました。

 

 

 

 

 特に、今後、必ず来ると言われている首都圏直下地震に対して、在住外国人の人への対応は、全く手つかずの状態であることがわかりました。新たに豊島区民になった日本人の人には、細かい情報がたくさん掲載された防災地図を渡していますが、外国の人には、外国語に訳していないからと渡していません。しかし、池袋駅周辺には、既に40カ所に3カ国語に対応した防災情報案内板が設置してあり、救援センターなどが掲載されています。これを紙ベースにすればいいのであり、早急に対応すべきだと指摘しました。

 また、災害時の通訳ボランティアに関しても、防災課が対応している現状の地域防災計画では、東京都の登録ボランティアだけを頼りにしています。交通網も遮断されているかもしれないのに、心もとない対応です。豊島区文化観光課でおこなっている外国語ボランティアが11カ国語60人もいるのであり、協力を考えるべきだと指摘しました。

  豊島区には、留学生の人を対象にした日本人家庭を訪問するホームビジット事業を1988年から行っています。私も1992年から10年間ホストファミリーに登録していましたが、最近では、一年間に1人しか紹介していない年もあるような状況です。対象を留学生に限らず、豊島区在住の外国人とするなど、地域で人と人とのつながりができるような積極的な活用を提案しました。

  また、池袋周辺から新庁舎へのわかりにくさを解消するためのサイン計画は日本語に不自由する外国の人にも効果的なので、民間企業もまきこんで全区に広げるべきとも指摘しました。

  教育委員会で行っている日本語学級や通訳派遣の日本語初期指導では、日本語を全く話せない子どもでも半年ぐらい勉強すると日常生活に困らないほどになっています。このことは、私が係っている「要町あさやけ子ども食堂」で実際にネパールのお嬢さんとの交流を通じても実感しています。子どもを通じての多文化共生のあり方も重要ではないかと考えます。

 そもそも、「豊島区は、1980年後半から急速に外国人人口が増えた事を受け、1988年を「国際化元年」と位置づけ、庁内に国際対策委員会を設け、国際化対策として外国人相談体制など20を超える事業をスタートさせ全国的に注目されました。しかし、その後の財政難から事業は縮小されていき、「多文化共生」の政策理念が掘り下げられないまま、空洞化している」と明星大学渡戸一郎教授は2009年の「自治体政策に置ける「外国人相談」の意義と課題」とした論文の中で指摘しています。

 2020年のオリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決定し、多くの外国の観光客が来ることの経済効果ばかりが強調されていると思います。しかし、外国人が多く住む豊島区こそ、その多様性を強みにして、まずは、ここに暮らす外国人住民と日本人住民が無用な軋轢を起こさないように、しっかりと外国人住民にも情報を伝えることこそが優先されるべきなのではないかと区の姿勢を問うたところ、早急に具体的な検討体制を詰めていくという答弁を得ました。

 かつて、私は、大学生時代、留学生交流会を立ち上げ、留学生が日本で不便なく過ごせるように他大学と情報を共有しガイドブックなどを作成する活動をしていました。また、約30年前にもなりますが、ドイツで勤務2年半滞在した時には、ほとんどドイツ語がわからなくても、同僚、地域の人が暖かく迎えてくれました。人と人との心の交流があれば、無用な軋轢はなくなり、国と国も戦争に至らないと確信しています。

わかりやすく3カ国語ポスターで対応するようになった池袋スポーツセンター